第二抵当権(2番抵当)とは?順位の決まり方と、2番抵当でも借りられる不動産担保ローン

man
「2番抵当以下でも利用可能な不動産担保ローンとは?」
「不動産担保ローンの抵当権ってどういう意味があるの?」
・・・

今回は、不動産担保ローンの抵当権について解説します。

第二抵当権(2番抵当)とは、すでに抵当権が設定されている不動産に、2番目に設定される抵当権のことです。同じ不動産に複数の抵当権があるとき、その順位は登記の前後で決まります(民法第373条)。先に登記されたほうが第一抵当権、後から登記されたほうが第二抵当権になります。

順位が下でも、お金を借りられないわけではありません。審査で見られるのは順位そのものではなく、「不動産の評価額から先順位の債権額を引いた残り」がいくらあるかです。この記事では、第二抵当権の意味と順位の決まり方を条文で確認したうえで、2番抵当でも不動産担保ローンを使えるのはどんなときかを整理します。

第二抵当権とは何か

まず言葉の整理から。検索されるときの表記はばらつきますが、指しているものは同じです。

呼び方 意味
第二抵当権/第2抵当権 同じ不動産で2番目の順位にある抵当権
2番抵当/二番抵当 同じもの。順位が2番であることを指す言い方
第2順位の抵当権 金融機関の商品説明で使われる表記
後順位抵当権 第一抵当権より後の順位にある抵当権の総称(3番以下も含む)
いずれも同じ状態を指します。金融機関の商品説明では「第2順位以降の抵当権設定」という書き方が使われます。

抵当権そのものは、民法第369条にこう定められています。「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」。占有を移さない、つまり住んだまま担保に入れられるのが抵当権の特徴です。

順位は「登記の前後」で決まる

民法第373条は一文だけです。「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による」。契約した日でも、金額の大きさでも、金融機関の格でもありません。登記した順番です。

では順位が違うと何が変わるのか。返済が滞って不動産が競売にかけられたときの、配当の順番が変わります。

競売代金2800万円のうち第一抵当権者へ2000万円が満額配当され、第二抵当権者は1500万円のうち800万円しか回収できないことを示した図
順位が下の抵当権者は、先順位が満額を取ったあとの残りからしか回収できません。金額は説明のための例です。

図の例では、第二抵当権者は1,500万円のうち800万円しか回収できません。貸す側にとって、後順位は「回収できないかもしれない」状態です。だからこそ、順位が下がるほど審査は慎重になり、金利も上がりやすくなります。逆に言えば、残りの担保価値が十分にあるなら、順位が2番でも貸せることになります。

不動産担保ローンの抵当権とは?

抵当権とは

債務不履行の場合、担保を売却して、他の債権者に優先して弁済を受けうる権利のこと

を言います。

不動産担保ローンで言えば

不動産担保ローンで借りた人が「これ以上返済できない」となった時に、抵当権を設定している債権者(銀行やノンバンク)は、担保にしている不動産を売却したときに優先的に売却金額から返済に充てられる権利のこと

を言います。

法律的には口約束でも効力がありますが、証拠能力を高めるために債権者(銀行やノンバンク)は、登記をするのです。この抵当権の登記のことを「抵当権設定登記」と言います。

登記は、法務局の登記簿に記載することを差すため、登記をすれば公的に権利が保証されるのです。

つまり、

不動産担保ローンを利用する場合は必ず、借りた金額の「抵当権設定登記」が行われる

のです。

抵当権設定登記の内容

抵当権設定登記をすると法務局の登記簿に下記のように登録されます。

下記は、筆者の保有不動産ですが

左から

  1. 順位番号
  2. 登記の目的
  3. 受付年月日・受付番号
  4. 【権利者その他の事項】

となっています。

【権利者その他の事項】を詳しく解説すると

【権利者その他の事項】

登記原因

登記に至った要因のことで、多くの場合は「金銭消費賃借」となります。登記原因は日付と合わせて記載されます。

つまり、上記の例の場合は

「平成4年12月2日」に「金銭消費賃借(ローン契約)」をしたので、抵当権を設定します。

という意味になります。

債権額

抵当権の設定金額です。「金銭消費賃借(ローン契約)」で借りる金額のことを言います。

上記の例の場合は

金2,000万円

となっています。

利息

「金銭消費賃借(ローン契約)」の利息についての記載です。

上記の例の場合は

金920万円分が年率4.55%(平成14年12月2日から5.15%)
金1,080万円分が年率5.25%

月割計算・月未満の期間は日割り計算

となっています。

債務者

借りた人の情報が住所とともに掲載されます。

抵当権者

抵当権を設定する債権者の情報が住所とともに掲載されます。

上記の例の場合は

住宅金融公庫(現:住宅金融支援機構)

が債権者となっています。

そのほかに

損害金(遅延損害金)
共有者
連帯保証人
・・・

など、が記載されるケースがあります。

補足

抵当権の設定情報は、法務局に行けば誰でも閲覧することができる情報です。

抵当権の順位とは?

抵当権の欄には「順位番号」という欄があります。

これが抵当権設定順位というものです。

抵当権の順位とは

弁済を受ける権利の優先順位のこと

を意味します。

抵当権は、一つの物件に何個でも設定することができます。

2,000万円の価値しかない物件に、100人の債権者が1,000万円の抵当権を100個つけることもできます。

しかし、現実問題は、この物件は売却しても、2,000万円にしかならないので、100人全員に弁済することはできません。このときに「早いもの順」で弁済を受ける権利が発生するのです。

これが抵当権の順位です。

例えば

債務者:A氏

が投資用アパートを立てる費用として

債権者:B氏から3,000万円の借金
債権者:C氏から2,000万円の借金
債権者:D氏から1,500万円の借金

合計:6,500万円の借金をしていたとします。

しかし、アパートの賃貸経営が上手くいかず、「債務者:A氏」が「もう返済できません。」となった場合

このアパートは裁判所の「競売」で売却されます。

当然、6,500万円で売却できれば、借金は全部返済できますが、「競売」は「競り方式」で一番高い価格を提示した方が落札するものであり、市場価格の6割~7割程度になってしまうため、多くの場合は全額弁済できない金額で落札されます。

今回の場合は、5,500万円で落札されたとします。

この5,500万円を債権者の間で分配することになるのですが・・・

このとくに「抵当権の設定順位(早い者勝ち)」の理論が登場してきます。

  1. 5,500万円から1番抵当の「債権者:B氏」に3,000万円を返済
  2. 残りの2,500万円から2番抵当の「債権者:C氏」に2,000万円を返済
  3. 残りの500万円で抵当権設定のしていない「債権者:D氏」に500万円を返済

ということになります。

抵当権設定をしていた「債権者:B氏」「債権者:C氏」は

man
「全額返済されて良かった。」

となりますが

抵当権設定をしていなかった「債権者:D氏」は

man
「1,500万円貸していたのに500万円しか返ってこなかった。」

となってしまうのです。

このケースでは「債権者:D氏」が抵当権設定をしていたとしても、3番抵当であれば、同じことになってしまうのです。

当然、債権者(銀行・ノンバンク)は、不動産担保ローンを提供するときに

staff
「できれば1番抵当が良い。」

と考えるのは当然なのです。一番貸し倒れリスクが低いのが1番抵当ということになります。

不動産担保ローンは2番以下の抵当順位でも利用可能なのか?

金融機関によって「抵当順位をどう捉えるか?」は変わってきます。

オリックス銀行不動産担保ローンの場合

担保提供不動産に当社を権利者とする第1順位の抵当権を設定登記します。
※ 担保提供不動産によっては、第2順位以降の抵当権設定登記による借り入れも可能な場合があります。
※ 担保設定費用は別途負担していただきます。

出典:オリックス銀行「不動産担保ローン 商品説明書」(2026年9月4日確認)

となっています。

原則第1順位ですが、場合によっては「第2順位以降の抵当権設定」でもOKとなっています。

ノンバンクの場合

ノンバンク系の不動産担保ローンでも、考え方は同じです。すでに他社のローンが残っていても、不動産の評価額とローン残高の差に十分な開きがあれば検討できるという案内が一般的です。銀行に比べて掛け目の設定が緩やかな会社が多く、後順位でも取り扱いやすい傾向があります。

ただし、具体的な条件は会社ごとに違います。「第2順位でも可」と書かれていても、担保余力がいくら必要かは公開されていないことがほとんどです。実際に借りられるかは、物件の評価を出してもらうまで分かりません。

これを見ても、わかる通りで

ほとんどの不動産担保ローン会社は、「第2順位以降の抵当権設定」でも融資は可能

なのです。

ただし、注意しなければならないのは

所有不動産の評価額とローンの残高の差額に一定の割合があれば

という点です。

評価額 第一順位の債権額 担保余力 第2順位で借りられるか
5,000万円 5,000万円 0円 借りられない
5,000万円 3,000万円 2,000万円 2,000万円までなら可能性が高い
5,000万円 1,000万円 4,000万円 4,000万円までなら可能性が高い
「評価額 − 設定されている抵当権の債権額」が担保余力です。実際には掛け目がかかるため、余力の満額まで借りられるとは限りません。

という考え方になるのです。

不動産担保ローン審査で重要なのは

抵当権の順位が「1番なのか?」「2番なのか?」「3番なのか?」という問題ではなく、

「物件の評価額 - 設定されている抵当権の債権額」に余裕があるかどうか?

で決まってくるということなのです。

「第2順位以降の抵当権設定」で不動産担保ローンを借りるなら、ノンバンクの不動産担保ローンがおすすめ!

man
「じゃあ、第2順位以下の抵当権になる場合、銀行不動産担保ローンでも、ノンバンクの不動産担保ローンでも同じということですか?」
teacher

いいえ、そうではありません。

前述した通りで、「抵当権の順位」が問題なのではなく、「『物件の評価額 - 設定されている抵当権の債権額』に余裕があるかどうか?」が問題なのです。

銀行不動産担保ローンの場合

物件の評価額は厳しく見る(掛け目:70%)

ノンバンクの不動産担保ローンの場合

物件の評価額は甘く見積もる(掛け目:70%~100%)

という傾向にあります。

ノンバンクの不動産担保ローンが「なぜ、掛け目が甘いのか?」というと・・・

ノンバンクの不動産担保ローンは、メリットがないと、低金利の銀行不動産担保ローンに顧客を取られてしまうので、金利では勝てない分、「審査の許容範囲を広げる」「担保評価を甘く見積もる」形を取るのです。

また、銀行には「慎重に慎重を期して融資をする」業界の風土があります。そのため、銀行は、リスクを取らないようにタイトに担保価値を評価するので、評価額は必然的に厳しくなってしまうのです。

評価額が高ければ高いほど、「物件の評価額 - 設定されている抵当権の債権額」に余裕ができることになります。

ノンバンクの不動産担保ローンを選んだ方が「第2順位以降の抵当権設定」でも借りられる可能性が高くなるのです。

不動産会社としての機能を持つノンバンクの不動産担保ローンが狙い目

さらに言えば、不動産会社としての機能を持つノンバンクの不動産担保ローンが狙い目です。

teacher

なぜなら、不動産会社としての機能を持つノンバンクの不動産担保ローンは「掛け目100%」という不動産担保ローン会社もあるからです。

なぜ、不動産会社としての機能を持つノンバンクの不動産担保ローンは「掛け目100%」が実現できるのか?

自社で担保である不動産を売却できるから

です。

自社で不動産売却の機能や売却ルートがあれば

  • 売却時の市場価格を正確に見積もることが可能
  • 売却時に不動産仲介手数料6.0%+12万円が収入として見込める

メリットがあるのです。

だからこそ、「掛け目100%」で物件評価しても、不動産担保ローン会社側にメリットがある分、「掛け目100%」が実現できているのです。

「掛け目100%」であれば、より「物件の評価額 - 設定されている抵当権の債権額」に余裕ができるため、「第2順位以降の抵当権設定」でも借りられる可能性が高くなるのです。

抵当権の順位は変更することはできるのか?

抵当権の順位は、変更することが可能です。

前述した例の場合

債権者:B氏 1番抵当
債権者:C氏 2番抵当
債権者:D氏 3番抵当

となっていた場合、利害関係者の合意を得られれば抵当順位を変更することができます。

債権者:C氏が2番抵当から1番抵当にしたい場合は、利害関係者が債権者:B氏になるので、債権者:C氏が債権者:B氏の合意を得ることで、抵当順位を

債権者:C氏 1番抵当
債権者:B氏 2番抵当
債権者:D氏 3番抵当

に変更することが可能です。

teacher
当然、多くの債権者は「貸し倒れリスクが小さくなるので、少しでも順位が上になりたい。」と考えるので、「合意を得る≒金銭を支払う」ことを意味しています。

債権者:D氏が3番抵当から1番抵当にしたい場合は、利害関係者が債権者:B氏、債権者:C氏になるので、債権者:D氏が債権者:B氏と債権者:C氏の合意を得ることで、抵当順位を

債権者:D氏 1番抵当
債権者:B氏 2番抵当
債権者:C氏 3番抵当

に変更することが可能です。

teacher
債務者:A氏は、利害関係者ではないのでA氏の承諾は必要性ありません。

上位の順位の債権者の債権を完済した場合は繰り上がる

債権者:B氏 1番抵当
債権者:C氏 2番抵当
債権者:D氏 3番抵当

の場合

債務者:A氏が債権者:B氏の債務を完済した場合は、抵当順位は繰り上がります。

債権者:B氏 1番抵当 → 完済
債権者:C氏 1番抵当
債権者:D氏 2番抵当

となります。

抵当権は、どの種類の不動産担保ローンでも存在します。不動産担保ローンの種類はこちら

まとめ

できます。民法第374条に、「抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる」と定められています。ただし条件が2つあります。

条文 定めている内容 実務上の意味
民法第369条 抵当権者は、担保に供した不動産について他の債権者に先立って弁済を受ける権利を有する 占有を移さずに担保に入れられる。住みながら借りられる
民法第373条 同一の不動産に数個の抵当権があるときの順位は、登記の前後による 契約日や金額ではなく、登記した順番で順位が決まる
民法第374条第1項 順位は各抵当権者の合意で変更できる。利害関係を有する者があるときは、その承諾が必要 関係者全員がそろわないと動かせない
民法第374条第2項 順位の変更は、その登記をしなければ効力を生じない 合意しただけでは効力が出ない。登記が必要
出典:e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」(2026年9月4日確認)

つまり、順位を入れ替えるには先順位の金融機関の合意が要ります。先順位にとっては自分の回収可能性が下がる話なので、簡単には応じません。「順位を変えてもらえばいい」と考えるより、担保余力の範囲で借りられる額を組み立てるほうが現実的です。

抵当権とは

  • 債務不履行の場合、担保を売却して、他の債権者に優先して弁済を受けうる権利のこと

不動産担保ローンの抵当権とは

  • 不動産担保ローンを利用した方が返済しなかった場合に、担保を売却して他の債権者に優先して弁済を受けうる権利のことを言います。

そのため、不動産担保ローンを利用する場合には、必ず「抵当権設定登記」が行われるものなのです。

抵当順位とは

  • 弁済を受ける権利の優先順位のこと

です。

債権者である銀行やノンバンクにとってみれば

  • 少しでも抵当順位が上の方が貸し倒れリスクが下がるので望ましい

のですが

不動産担保ローンでは「抵当順位2位以下」でも、借りられる可能性は大いにあります。

ただし、「抵当順位2位以下」で不動産担保ローンを利用するためには「担保評価額 - 設定されている抵当権の債権額」に余裕がある必要があります。「担保評価額 - 設定されている抵当権の債権額」に余裕があれば、2番抵当でも、3番抵当でも、利用できる不動産担保ローンはあるのです。

teacher

「抵当順位2位以下」で不動産担保ローンを利用する場合には、担保評価額を高く見積もってくれる「ノンバンクの不動産担保ローン」がおすすめです。

また、その中でも、不動産会社として不動産売却機能がある不動産担保ローン会社の場合は、「掛け目100%」という担保評価もできるので、より「担保評価額 - 設定されている抵当権の債権額」に余裕ができることになるため、借りられる可能性が高くなります。

参考にした一次情報

2026年9月4日に確認しています。各社の取扱条件は変更されることがあります。申込み前に必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。個別の登記や順位変更の手続きについては、司法書士などの専門家にご相談ください。

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