不動産担保ローンとは?1ページでわかる不動産担保ローン徹底解説

不動産担保ローンとはどんなローンサービスのことを言うのでしょうか?今回は「不動産担保ローンとは」について徹底解説していきます。

不動産担保ローンとは?

不動産担保ローンとは

土地や建物等の不動産を担保にした融資(ローン)のことです。不動産担保融資や不動産ローンとも呼ばれることがあります。

不動産担保ローンと住宅ローンは何が違うの?

住宅ローンは不動産担保ローンの一種です。住宅ローンも、自宅を担保に融資を受けるローンサービスですので、不動産担保ローンに違いはありません。

ただし、自宅を担保にして自宅の購入資金のために借りる不動産担保ローンは「住宅ローン」と呼ばれることが多く、それ以外の目的で不動産を担保にして融資を受けることを不動産担保ローンと呼ぶことが多くなっています。

不動産担保ローンの仕組み

不動産担保ローンは、不動産を担保にして金融機関が融資を行う仕組みです。「担保にする」ということは、返済できなければ金融機関が担保である不動産を処分(売却)して、融資したお金の弁済に充てることになります。

これは住宅ローンも同様の仕組みです。

返済しないと自分が保有している不動産がなくなってしまうリスクがあることに注意が必要です。

また、金融機関は不動産を売却することで万が一のときの回収を行うものですから、融資できる金額の設定は「不動産を売った時にいくらで売れるのか?」=「不動産担保価値」で決まってきます。

1億円の不動産を担保に不動産担保ローンを申込むのであれば、1億円まで借りられる可能性があるということです。

金融機関によってはこれに「掛目(かけめ)」という割合をかけて融資可能額を計算します。

  • 掛目(かけめ) = 90%

と設定している金融機関の場合

  • 不動産の担保価値 1億円 × 90% = 融資可能額の上限:9000万円

という計算になります。なぜ、「掛目」というものがあるのかというと、不動産は時価で不動産価値を算定しても、買い手がいなければ売れないものですから「想定した金額で売れない」「時間経過によって不動産の資産価値が落ちた。」「予期せぬ不動産価値の低下(例:近くで汚染が見つかった。)」などのリスクがあるため、金融機関はリスクヘッジのために実際の不動産価値よりもやや低い金額を上限に融資を行うのです。これを計算するのが「掛目」であり、「掛目」の考え方は金融機関によって異なるので、金融機関によって「掛目の割合」には差があります。

掛目の相場

平均的な「掛目」の相場は70%です。

ノンバンクには「掛目」100%という金融機関もあります。

concierge
同じ不動産を担保にした不動産担保ローンであっても、金融機関の「掛目」の設定によっては借りられる金額が変わってくるのです。

不動産の担保価値:1億円

  • 掛目 70%の不動産担保ローンA社 → 7000万円借りられる
  • 掛目 85%の不動産担保ローンB社 → 8500万円借りられる
  • 掛目100%の不動産担保ローンC社 → 1億円借りられる
concierge
注意が必要なのは、掛目を大きく設定している不動産担保ローンほど金利が高く設定されている傾向があるので、一概に「掛目がおおきければ良い不動産担保ローン」というわけではありません。不動産担保ローンを比較するときは掛目も、金利も、総合的に評価する必要があります。

不動産の担保価値はどうやって算出されるの?

不動産の担保価値の評価方法も、金融機関によって違いがあるのですが

概ね下記のような計算方法で評価されます。

土地の担保価値評価

  1. 対象土地の国税庁が開示している路線価(相続税路線価)を調べる
  2. 相続税路線価は㎡あたりの単価なので、対象の土地の面積に換算して土地全体の価格を算定する
  3. 「相続税路線価 = 公示地価 × 約80%」に設定されているので、割り戻すことで公示地価に近い金額が出る

これが不動産売買などでも利用される不動産の土地の一般的な評価方法となります。

路線価図・評価倍率表
http://www.rosenka.nta.go.jp/

建物の担保価値評価

  1. 1㎡あたりの建築単価を調べる
  2. 建築単価に建物の面積(㎡)を掛ける
  3. 建物は時間が経過すると古くなり価値がなくなるため現在価値割合(1-建物経過年数/減価償却耐用年数)を掛けて現在価値を計算する

これが不動産売買などでも利用される不動産の建物の一般的な評価方法となります。

concierge
不動産の担保評価方法は、金融機関のノウハウと言える部分でもあり、担保評価方法は実際はかなり金融機関によって違いがあるのです。

同じ物件でも

  • 不動産担保ローンA社 → 3000万円の評価
  • 不動産担保ローンB社 → 3200万円の評価
  • 不動産担保ローンC社 → 2900万円の評価

と担保評価の方法に違いがあるため、評価額も違いが出てきてしまうのです。「掛目」設定の違いも含めれば「借りられる金額は不動産担保ローンによってかなり違ってくる」ということがわかります。

どんな不動産が対象になるの?

基本的に「売れる=価値がある」不動産であればすべての不動産が不動産担保ローンの対象になります。

ノンバンクの不動産担保ローンであれば

  • 何番順位でも融資可能
  • 共有持分
  • 古マンション
  • 古ビル
  • 更地
  • 借地権
  • 底地権
  • 再建築不可
  • 賃貸中
    ・・・

と条件の悪い不動産であっても、不動産担保ローンの対象となります。

ただ唯一、不動産担保ローンの担保にできない不動産は「売れない=価値がない」不動産です。

concierge
地方の誰も通らないところの土地があっても、買い手がいないので売れません。これを担保にして不動産担保ローンを組もうとしても、売れなければ担保の意味がないので不動産担保ローンは組めないのです。

家族所有の不動産でも、不動産担保ローンは利用できる!

不動産担保ローンは自己所有の不動産以外も不動産担保ローンの対象不動産にすることができます。

  • 配偶者、実父母、実兄弟姉妹の所有する不動産
  • 3親等以内の家族が所有する不動産
  • 第三者の所有する不動産

と、これも金融機関によって違いがあるのですが、一般的に「3親等以内の家族が所有する不動産」を担保にできる不動産担保ローンが多いようです。

自己保有の不動産はなくても、親が不動産を所有しているのでそれで不動産担保ローンを利用するということもできます。

注意しなければならないのは、返済ができなければ不動産が処分されてしまうのは変わりません。自己所有物件であれば自己責任ですので、誰に迷惑をかけるわけでもありませんが、家族や第三者の不動産を担保にしておいて「返済できなかったために不動産が売却されてしまった。」となると家族とは言え、人間関係が壊れてしまうリスクがあります。自己所有物件以外を担保に不動産担保ローンを利用する場合は、より確実な返済を心がけなければならないのです。

不動産担保ローンの使いみちは?

不動産担保ローンの資金使途は自由です。

何に使っても構いません。

  • 不動産投資のための購入資金
  • 不動産投資のためのつなぎ資金
  • 無担保ローンの借り換え、おまとめ
  • 起業資金
  • 会社の設備投資
  • 資金繰り
    ・・・

など、自由ですから幅広い使いみちがあります。

最近、多いのは「借り換え・おまとめ」利用です。

カードローンは金利が高い為、「カードローンで金利15%で借りているけれども、返済してもなかなか残債が減らない。親の所有物件を担保に不動産担保ローンを借りることで金利を15%のカードローンから、5%の不動産担保ローンへ切り替えて、毎月の返済負担を軽減したい。」というようなニーズが増えているのです。

法人が利用する際も、既存のビジネスローンや融資からの借り換えで、支払い利息を軽減する使い方が可能になっています。また、不動産担保ローンは長期の借入ができるため、長期の資金繰り、設備投資などに利用する経営者の方も多いようです。

不動産担保ローンの特徴は?

無担保ローンよりは金利が低金利

不動産担保ローンは、融資をする金融機関から見ると「無担保ローンよりも、リスクの少ないローン」となります。担保があるので、万が一返済ができない場合にも、担保である不動産を売却することで、融資した金額の回収ができるので、低リスクのローンとなっているのです。

  • 無担保ローン = 貸し倒れリスクが大きい → 金利を高く設定しないと金融機関の利益が出ない
  • 不動産担保ローン = 貸し倒れリスクが小さい → 金利を低く設定しても金融機関の利益が出る

という関係性になっています。

長期の借入ができる

不動産担保ローンは10年~35年という長期の借入ができるローンとなっています。

住宅ローンも最長35年の借入ができますが、不動産の価値は土地の場合は半永久的になくなりませんので、長期の融資をしても、金融機関にはリスクがない為、他のローンサービスと比較しても、かなり長い借入期間が設定できます。

担保次第で高額の借入ができる

不動産担保ローンの場合は、最高で10億円程度の借入も可能なものがあります。

無担保ローンの場合

  • 個人向け無担保ローン「カードローン」 → 限度額 10~500万円
  • 法人向け無担保ローン「ビジネスローン」 → 限度額 50~1000万円

が相場ですので、大きな金額の借入はできないのです。

しかし、不動産担保ローンの場合は重要になるのは「不動産の担保価値」です。

都内のビル一棟を所有しして、そのビルの資産価値が10億円であれば、10億円の借入も可能になりますし、田舎の戸建てでその資産価値が100万円であれば、100万円までしか借入ができないのです。

不動産担保ローンの場合は、借りられる額は担保にする不動産の価値次第と言えます。

融資までに時間がかかる

「カードローン」「ビジネスローン」などの無担保ローンの場合は、最短1時間審査という金融機関もあるぐらいスピード融資が可能になっています。

しかし、不動産担保ローンの場合は、担保にする不動産の価値の査定が必ず必要になってくるので「最短即日融資が可能な不動産担保ローン」と宣伝している不動産担保ローンもありますが、一般的には申込みから3営業日~5営業日ほどの期間が必要なものがほとんどなのです。

融資までに時間がかかることに注意が必要です。

無担保ローンよりも審査は甘い

個人向け無担保ローン「カードローン」の場合

  • 勤続年数
  • 収入
  • 返済負担率
  • 他社の借入件数
  • 他社の借入総額

などが審査の対象になります。

法人向け無担保ローン「ビジネスローン」の場合

  • 事業歴
  • フリーキャッシュフロー
  • 経常利益
  • 年商
  • 自己資本比率

などが審査の対象になります。

不動産担保ローンであっても、審査される項目は上記と同じものなのですが、前述した通りで「担保があるので、いざというときは担保を売って融資した金額を回収すれば良い」と金融機関も考えます。

ということは、無担保ローンよりも、担保がある不動産担保ローンの方が審査が甘くなるのです。

「無担保ローンの審査に通らなくても、担保が用意できる不動産担保ローンでは審査に通った。」ということも往々にしてあるのです。

諸費用が発生するので注意が必要!

無担保ローンの場合は、諸費用は発生しません。

しかし、不動産担保ローンの場合には

  • 不動産価値の査定
  • 不動産の抵当権設定
  • 融資契約の印紙代
    ・・・

と金融機関側の作業が多く発生するため、借り入れ時に諸費用が発生します。

諸費用の相場もバラバラですが、事務手数料は融資額の0.0%~5.0%程度で設定されています。

不動産担保ローンの種類

金融機関の違い

不動産担保ローンは色々な金融機関が提供しています。

  • 銀行
  • 事業融資専門のノンバンク
  • 不動産担保ローン専門のノンバンク
  • ローンサービスを総合的に扱うノンバンク
    ・・・

があります。

銀行の不動産担保ローンの特徴

  • 金利が低金利
  • 審査が厳しい
  • 担保の許容範囲が狭い
  • 掛目が小さい:70%

ノンバンクの不動産担保ローンの特徴

  • 金利がやや高い設定
  • 審査が甘い
  • 担保の許容範囲が広い
  • 掛目が大きい:70%~100%

という特徴の違いがあります。

融資対象者の違い

不動産担保ローンは誰に融資するか?による違いもあります。

  • 個人向け不動産担保ローン
  • 法人向け不動産担保ローン
  • 不動産投資家向け不動産担保ローン
  • 不動産業者向け不動産担保ローン
  • つなぎ融資向け不動産担保ローン
  • 借り換え、おまとめ専用不動産担保ローン
    ・・・

があります。

個人向け不動産担保ローンの特徴

  • 限度額が小さい
  • 審査が甘い

法人向け不動産担保ローンの特徴

  • 限度額が大きい
  • 審査が厳しい

という特徴の違いがあります。

まとめ

不動産担保ローンとは、不動産を担保にしてお金を借りることのできるローンサービスです。

特徴としては(無担保ローンと比較して)

メリット

  • 金利が低金利
  • 審査が甘い
  • 高額な借入が可能
  • 長期の借入が可能
  • 家族や第三者の不動産も担保にできる

デメリット

  • 不動産がないと借りられない
  • 返済ができなければ不動産を失う
  • 諸費用が発生する
  • 最短即日融資が受けられる可能性は低い

が挙げられます。

不動産担保ローンのサービスは提供している金融機関によって、担保評価も、掛目も、金利も、限度額も、審査も、対象にできる担保も、違いがあります。色々な不動産担保ローンを比較して、あなたの条件にあった不動産担保ローンを見つけることをおすすめします。

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