海外不動産担保ローンとは?海外不動産担保ローンを提供している5つの銀行

man
「海外不動産を担保に融資は受けられるの?」
「海外不動産担保ローンって何?」
「海外不動産担保ローンを提供している銀行を知りたい。」
・・・

年々、海外不動産の価格も上昇傾向にあり、海外不動産を保有している方も増えてきています。日本の不動産価格の上昇が見込めない状況では、海外不動産投資というのも、投資家にすれば重要な選択肢になりますし、海外不動産を所有している方が資金調達をするというケースも増えてきます。今回は、海外不動産担保ローンについて解説します。

海外不動産担保ローンとは?

海外不動産担保ローンとは

日本国外の不動産を担保に融資を受けるローン商品のこと

を言います。

海外不動産担保融資、海外不動産ローンともいわれることがあります。

  1. 海外不動産購入のために資金調達を受けるパターン(海外不動産ローン)
  2. 既に保有する海外不動産を担保に資金調達をするパターン(海外不動産担保ローン)

と、混同して使われることもありますが、実際は違うものと考える必要があります。

  1. 海外不動産ローン →無担保ローン、有担保ローンでも日本国内の不動産担保等
  2. 海外不動産担保ローン → 海外の不動産が担保の有担保ローン

ですので、似たものと思われますが「担保の種類」が異なるのです。

teacher
海外不動産担保ローンの場合は、海外不動産を担保にするため、現地の販売ルート(売却)、現地の不動産価値の鑑定ができる必要があるため、提供している金融機関は少ないのです。また、提供していても、ハワイなど一部の海外にしか対応していないケースがほとんどです。

「海外不動産ローン」を提供している銀行一覧

オリックス銀行「不動産担保ローン」

「所有不動産を担保として海外不動産購入などに」

と書いてあるように「海外不動産の購入」に対応しています。

しかし、商品概要には

借入対象不動産

首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市の居住用不動産
※ただし、上記地域内でも取り扱いを差し控えさせていただく場合がございます。

となっているのですから、担保の対象は「首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市の居住用不動産」のみなのです。

借入金利は

2018年6月時点

  • 変動金利型:年率3.675%
  • 3年固定特約型:年率3.300%
  • 5年固定特約型:年率3.500%

と、低金利で借りられる不動産担保ローンとなっています。

  • 融資限度額:1,000万円以上、2億円以下
  • 借入期間:1年以上35年以下
オリックス銀行「不動産担保ローン」は、海外不動産ローンの中でも低金利での借り入れが可能になっていますが、担保にできるの国内主要都市の居住用物件のみですので、担保の範囲は狭いところがデメリットとなっています。

日本政策金融公庫「海外展開・事業再編資金」

日本政策金融公庫には「海外展開・事業再編資金」という融資制度があります。

商品概要には

ご利用いただける方

次のいずれかに該当する方

1. 経済の構造的変化等に適応するために海外展開することが経営上必要であり、かつ、次の(1)~(3)の全てに該当する方
(1)開始または拡大しようとする海外展開事業が、当該中小企業の本邦内における事業の延長と認められる程度の規模を有するものであること
(2)本邦内において、事業活動拠点(本社)が存続すること
(3)経営革新の一環として、海外市場での取引を進めようとするもので、次の(ア)~(エ)のいずれかに該当すること
(ア)取引先の海外進出に伴い、海外展開すること
(イ)原材料の供給事情により、海外進出すること
(ウ)労働力不足により、海外進出すること
(エ)国内市場の縮小により、海外市場の開拓・確保に依らないと成長が見込めないため海外展開すること

2. 海外における経済の構造的変化等に適応するために次の(1)及び(2)を満たす方
(1)海外直接投資に係る海外展開事業を再編(全部又は一部を廃止することを含む。)することが、経営上必要であること
(2)本邦内における事業活動は継続し、中長期的にみて発展することが見込まれること

3. 海外直接投資に係る海外展開事業の業況悪化などにより、本邦内における事業活動が影響を受けている方

とあります。

つまり、

日本でも不動産投資を法人として展開していて、経営革新の一環として、海外不動投資を視野に入れている場合のみ融資が可能になる

ということを意味しています。

海外展開で不動産投資をする必要性に対する理由付けがきちんとしていないと融資の審査に通らないので注意が必要です。

借入金利は

2018年6月時点

基準金利:年率2.06~2.55%

  1. 海外直接投資を行う方であって、利益率や本邦内の雇用維持など一定の要件を満たす場合、特別利率B
  2. 海外生産委託又は海外販売強化を行う方であって、クールジャパンの推進に資する事業を行うなど、一定の要件を満たす場合、特別利率A
  3. 海外生産委託又は海外販売強化を新たに行う場合(海外展開後5年以内の場合を含む。)、特別利率A
  4. 海外知的財産権を活用した海外展開事業(海外知的財産権の取得費用を除く。)を行う場合、特別利率A

特別利率A:年率1.66~2.15%
特別利率B:年率1.41~1.90%

金利は低金利での借り入れが可能になっています。

  • 融資限度額:7,200万円
  • 借入期間:20年以内<うち据置期間2年以内>
日本政策金融公庫も、低金利での借り入れが可能になっていますし、担保も不要です。しかし、日本での不動産投資を継続する法人が海外展開するために資金が必要という形を取る必要があるため、審査は厳しいと考えましょう。

スルガ銀行

スルガ銀行は、海外不動産投資に積極的に融資をしてくれる数少ない銀行の一つです。

しかし、現在は「シェアハウス融資で不正が発覚」してしまったため、海外不動産投資にも慎重になっている可能性があります。

スルガ銀行は「シェアハウス以外の投資用不動産融資でもシェアハウスと類似のリスクを検討し、保守的に(回収可能性を)見積もった」と、2018年3月期決算の訂正を行っているぐらいです。

以前の商品概要

無担保ローン
  • 金利:年率7.5%
  • 借入期間:最大15年
  • 担保:不要
有担保ローン
  • 金利:年率4.5%
  • 借入期間:最大30年
  • 担保:日本の不動産担保

という形でサービス提供をしていましたが、現時点ではウェブサイトには同様の商品ページは表示されなくなっています。

スルガ銀行では、「シェアハウス不正融資問題」が片付かないことには、海外不動産投資に対する融資も難しいのが現状です。

「海外不動産担保ローン」を提供している銀行一覧

HSBC

HSBCホールディングスは、イギリス、ロンドンに本社を置き、商業銀行を主体とする世界最大級のメガバンクのことです。1865年に香港で創設された香港上海銀行を母体として1991年に設立され、ヨーロッパ、アジア太平洋地域、アメリカ大陸、中東、アフリカにまたがる83の国と地域に10,000を超える拠点を擁し、2007年12月末現在2兆3,540億米ドルの総資産を持つ世界有数の金融グループです。

HSBCは、世界各国に現地法人の金融機関を設立しているため、現地の金融機関から、現地の不動産投資のための融資を受けられるのです。

外国人投資家に対しても、積極的に融資を行っています。

  • 融資率は60%~85%(自己資金で15%~40%が必要)
  • 金利は国にもよりますが2.0%~6.0%前後
現地の銀行法人で融資を受けるのが、金利も低金利になるケースが多いです。その国の不動産売買の相場や不動産価値を理解しているからです。現地の不動産を扱う不動産会社も、連携を取りやすいメリットがあります。ただし、HSBCは富裕層・エグゼクティブをターゲットとした金融機関ですので、ある程度の自己資金が必要になったり、プレミアム口座(1000万円以上の入金)開設者に優遇があったり、ハードルが高いのも事実です。

西京銀行「海外不動産担保ローン」

西京銀行は、山口県周南市に本店を置く第二地方銀行ですが、インターネット銀行構想、邦銀初の女性副頭取を置くなど新しい試みに積極的な地銀として、全国の知名度を誇る銀行です。

2018年3月1日の株式会社日本保証のニュースリリース

当社は、株式会社西京銀行(以下、「西京銀行」といいます。)と提携し、2017年12月8日より、西京銀行が取り扱うローン商品「海外不動産担保ローン」(以下、「本商品」といいます。)にかかる保証業務を開始しております。

本商品は、ハワイ州に所有されている不動産を担保に融資する商品として当初取扱いをスタート致しましたが、本日、新規購入時の物件を担保とする保証の取扱いを開始致しました。

今後、ハワイ州以外のテキサス州・ネバダ州・カリフォルニア州を対象にエリアを順次拡大してまいります。今後も当社及び提携先金融機関の特性を活かし、お客様への金融サービスの向上や多様なニーズにお応えしてまいります。

(1) 商品名 海外不動産担保ローン
(2) 借入形式 証書貸付
(3) 融資金額 100万円以上 5億円以内(1万円単位)※円建て
(4) 契約期間 1年以上 20年以内(1年単位)
(5) 借入利率 年率2.80%(保証料含む)
(6) 返済方式 元利均等毎月返済

となっています。

商品性としては

融資対象者

次の条件を満たし、保証会社の保証が受けられる方

  • 日本国内に居住する日本人または永住許可者(特別永住許可者含む)
  • 日本国内で登記されている法人
  • 申込時満20歳以上満80歳未満
  • 安定した収入が見込める方
  • 信用情報に問題がなく、保証会社の保証承諾を得られる方
  • 指定業者からの申込とさせていただきます
    ※指定業者については保証会社へ直接お問い合わせ願います
担保

海外不動産(米国)を保証会社が第一順位で普通抵当権を設定させていただきます

金利

2018年6月時点

年2.80%(変動金利・保証料含む)

融資スピード

最短4営業日

海外不動産担保ローンとしては、驚きの低金利設定と言っていいでしょう。現地の金融機関から借りるよりも低金利になる可能性もあります。残念ながら、米国限定のサービスであり、その中でも保証会社としてはハワイ州のみで取り扱いスタートとなっているので、それ以外の州は要相談ということでしょう。米国での海外不動産投資には、重要な選択肢になるはずです。

また、現地のローカル銀行で融資を受ける場合は、1カ月以上の審査期間がかかってしまうこともありますが、西京銀行「海外不動産担保ローン」であれば、最短4営業日での融資が可能になっています。物件への迅速なアプローチが可能です。

海外不動産投資で融資を受けるポイント

前述した通りで、海外不動産を購入する際に融資を受ける、ローンを利用するという場合の選択肢は

  1. 日本国内の銀行の無担保ローン(フリーローン)を利用する
  2. 日本国内の不動産を対象にした不動産担保ローンを利用する
  3. 日本政策金融公庫で海外展開を計画して借り入れをする
  4. 現地の銀行(ローカル銀行、グローバル銀行)を利用する

という選択肢しかありませんでした。

しかし、西京銀行のように生き残りに必死で、新しい取り組みに積極的な銀行を中心に

  • 海外不動産を担保にできる日本国内の銀行の不動産担保ローン

というのも、今後増える可能性があります。

  • 日本国内の銀行の無担保ローン(フリーローン)を利用する → 担保がないから高金利
  • 現地の銀行(ローカル銀行、グローバル銀行)を利用する → 外国人には高金利
  • 日本政策金融公庫で海外展開を計画して借り入れをする → 審査が厳しい
  • 日本国内の不動産を対象にした不動産担保ローンを利用する → 担保にできる日本の不動産が必須

というデメリットも多く、海外不動産投資をしようとしても、ある程度の現金を既に保有している富裕層しかチャレンジできないというのが現状です。

融資を受けても、金利が5%~8%なら、逆ザヤになってしまうからです。

西京銀行の海外不動産担保ローンのように金利が2%台で借り入れができるのであれば、不動産投資にとって、海外不動産投資は重要な選択肢になるはずです。

teacher

ここで注目したいのは「株式会社日本保証」が西京銀行の海外不動産担保ローンの保証会社になっているということです。

どういう保証契約になっているかにもよりますが・・・

保証会社がつくのであれば、銀行は貸し倒れリスクを取らずに融資をすることができます。

ということは

  • 他の銀行も、株式会社日本保証提携して海外不動産担保ローンを提供する
  • 他の保証会社も、株式会社日本保証を真似て、海外不動産担保ローンの保証業務を開始する

可能性が高くなってきました。

海外不動産を担保に低金利の融資が受けられるようになれば、海外不動産投資のマーケットは一気に拡大するポテンシャルを秘めています。

海外不動産担保ローンを提供する銀行が増加すれば、対応エリアも自然と増えるはずです。

その他の不動産担保ローンの種類はこちら

まとめ

海外不動産担保ローン・海外不動産ローンを利用できる銀行は

  1. オリックス銀行「不動産担保ローン」
  2. 日本政策金融公庫「海外展開・事業再編資金」
  3. スルガ銀行
  4. HSBC現地法人
  5. 西京銀行「海外不動産担保ローン」

があります。

このほか、現地のローカル銀行で融資を受ける方法もあります。

この中では、西京銀行「海外不動産担保ローン」が

  • 低金利
  • 最短4営業日の融資スピード
  • 海外不動産を担保にできる

と多くのメリットがあるローン商品となっています。

対応エリアがハワイ州にしか対応していないデメリットがありますが、海外不動産投資をする投資家に取ってみれば、検討すべき海外不動産担保ローンと言えます。

不動産担保ローン金利比較
不動産担保ローン借り換えランキング
不動産担保ローン審査基準

おすすめの不動産担保ローンはこちら

不動産担保ローン人気ランキング

コメントを残す

You have to agree to the comment policy.