不動産担保ローンの現地調査では何を見るのか|書類と現況の照合と、先に取れる登記資料の手数料

現地調査の前にそろえる登記資料と手数料を並べたアイキャッチ画像

不動産担保ローンの審査には、申込みと本審査のあいだに現地調査が入ります。担当者が物件まで出向いて確認する工程で、ここで見つかったことが融資額を動かします。申し込んだ側からすると、何を見られているのか分からないまま待つ時間でもあります。

やっていることは単純です。書類に書かれている不動産と、実際にそこにある不動産が同じかどうかを確かめています。だからこそ、書類の側を先にそろえておくと話が早くなります。ここでは、机上で分かることと現地でしか分からないことを分け、先に取得できる登記資料とその手数料を法務省の公表値で整理します。

先に押さえておくこと

現地調査は書類と現況の食い違いを見つける工程です。図面どおりの建物か、境界はどこか、道路にどう接しているかを確かめます。

先に取れる資料は登記所で買えます。登記事項証明書は書面請求で600円、地図等情報(公図など)は500円です(令和7年4月1日から)。

調査項目の標準的な一覧や、立会いの要否・所要時間を公表している公的な資料は確認できませんでした。会社ごとに運用が違うため、申込先に直接確かめてください。

机上で分かることと、現地でしか分からないこと

申込みの直後に行われるのは机上の査定です。所在地、地積、床面積、構造といった数値が分かれば、公示地価や路線価、固定資産税評価額を手がかりに土地の値段の当たりは付きます。建物も、構造と築年数が分かれば概算の積算はできます。評価額の種類と関係は不動産の評価額は4つあるで整理しています。

ところが、机上の数値は「書類がそのとおりである」という前提の上に乗っています。前提が崩れる場面は現地に行かないと見えません。

確かめたいこと 机上で分かるか 現地で見る理由
地積・床面積 登記記録で分かる 登記の面積と現況が一致しない土地がある
隣地との境界 図面だけでは決まらない 境界標の有無と位置を現物で見る
接道の状況 公図では幅員まで読めない 再建築できるかどうかに直結する
建物の現況 登記だけでは分からない 増築や用途変更が登記に反映されていないことがある
高低差・擁壁 分からない 造成費用が価格に影響する
用途地域・法令制限 自治体の都市計画情報で分かる 現地で看板や工事の状況と突き合わせる

この表の右列にあるものは、どれも「売るときにいくらになるか」を変えます。担保としての価値は売却できる金額で決まるため、貸す側は現況を見ないまま金額を決められません。

現地で照合される4つの書類

現地調査は感覚で行うものではなく、手元の書類と目の前の状態を突き合わせる作業です。照合の軸になるのは次の4つです。

登記事項証明書

所有者、地積や床面積、抵当権などの権利関係が記録されています。すでに設定されている担保の順位もここで分かります。

地図(公図)

土地の位置関係と形状の手がかりです。精度は区域によって差があるため、現地の境界標と合わせて見ます。

地積測量図

作成されている土地なら、境界の位置と辺長が分かります。古いものしかない土地では現況と合わないことがあります。

建物図面・各階平面図

建物の位置と各階の形状です。増築があると図面と現況が食い違います。

現地調査で照合される主な書類。いずれも登記所で取得できます。地積測量図や建物図面は、作成されていない不動産もあります。

4つのうち、地積測量図と建物図面は必ず存在するわけではありません。古くから所有している土地ほど、作成されていない可能性が高くなります。手元に無い場合は、その分だけ現地での確認に比重が移ります。

先に取れる資料と手数料

これらの書類は誰でも取得できます。法務省が公表している登記手数料は、令和7年4月1日から次のとおりです。

法務省の登記手数料についてのページ。登記事項証明書の書面請求600円、オンライン請求・送付520円、地図等情報の書面請求500円などの手数料表が掲載されている
出典:法務省「登記手数料について」令和7年4月1日(2026年9月19日に表示を確認)。
区分 請求の方法 手数料
登記事項証明書(謄抄本) 書面請求 600円
オンライン請求・送付 520円
オンライン請求・窓口交付 490円
登記事項要約書の交付・登記簿等の閲覧 — 500円
地図等情報 書面請求 500円
オンライン請求・送付 470円
オンライン請求・窓口交付 440円
筆界特定書の写し — 550円
筆界特定の図面の写し — 450円

地図等情報の手数料は、地図等の証明書が「1筆の土地又は1個の建物」、土地所在図等の証明書が「1事件」を単位とすると注記されています。筆が分かれている土地では、枚数が増えるぶん合計も増えます。また登記事項証明書は、1通の枚数が50枚を超えると、超える50枚までごとに100円が加算されます。

合計しても数千円の範囲です。申込先へ提出を求められてから動くより、先に取っておいたほうが往復が減ります。境界について争いがある土地なら、筆界特定の記録の有無も確かめておくと話が早くなります。

証明書が要らないなら閲覧という手もある

手元で内容を確かめたいだけなら、証明書の形にこだわる必要はありません。法務省の手数料表には、登記事項要約書の交付と登記簿等の閲覧が500円として並んでいます。相手に提出する書類としては使えませんが、権利関係や面積を自分で確認する目的なら足ります。

同じ表には、筆界特定の手続記録の閲覧が400円として載っています。過去に境界の争いがあった土地かどうかを確かめたいときの入口になります。境界が確定していない土地は、担保として見たときに売りにくさが残るため、先に事情を把握しておくと説明がしやすくなります。

公表されていないこと

ここから先は、公的な資料で裏づけが取れなかった領域です。この記事では推測を書きません。

よく聞かれること この記事で確認できたか
現地調査の標準的な項目の一覧 公的機関が公表している一覧を確認できなかった
申込者の立会いが必要かどうか 公表資料を確認できなかった。会社ごとに運用が異なる
所要時間や訪問回数 公表資料を確認できなかった
現地調査の費用負担 公表資料を確認できなかった。事務手数料の内訳は会社により異なる

これらは申込先に直接聞けば答えが返ってきます。聞くときは「立会いは必要か」「所要時間はどれくらいか」「費用は別にかかるか」の3点を並べて確認すると、話が早く進みます。諸費用全体の内訳は不動産担保ローンの諸費用はいくら?で条文と国税庁の資料から整理しています。

調査で減額になりやすい要素

現地で見つかったことが価格に響く典型を、書類との関係で整理します。いずれも「売るときに買い手が引く理由になるか」という一点で考えると筋が通ります。

境界標が見当たらず、地積測量図も無い土地は、売却の前に測量が必要になる可能性があります。その費用と時間は買い手にとって負担ですから、評価にも影響します。接道が2メートルに満たない土地は、建築基準法上の接道義務との関係で再建築の可否が問題になります。建物が登記されていない、あるいは増築部分が登記されていない場合、担保にできる範囲が変わります。

逆に、書類と現況がきれいに一致している物件は、確認が早く終わります。事前に資料をそろえておくことは、審査を有利にする小細工ではなく、確認にかかる時間を短くする実務です。

よくある質問

現地調査には立ち会わないといけませんか

公的な決まりはなく、会社ごとの運用です。公表資料を確認できなかったため、申込先へ直接お尋ねください。

登記の資料は自分で取れますか

取れます。登記事項証明書は書面請求で600円、地図等情報は500円です(令和7年4月1日から)。オンライン請求なら手数料が下がります。

室内も見られますか

この記事では公的な資料で確認できませんでした。物件の種類や会社の方針によって異なるため、事前に確認してください。

調査の結果で融資額が下がることはありますか

担保価値は売却できる金額をもとに決まるため、現況が書類と違えば評価が変わり得ます。具体的な減額幅を公表している資料は確認できませんでした。

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