高齢者の不動産担保ローンは何歳まで?楽天銀行は借入時70歳未満・完済時80歳未満、リ・バース60は満60歳以上が条件

楽天銀行の借入時70歳未満・完済時80歳未満と、リ・バース60の満60歳以上を横棒で並べたアイキャッチ

高齢になると不動産担保ローンは借りられないのか。この問いに一般論で答えると外れます。年齢の条件は商品ごとに公表されていて、その中身が大きく違うからです。銀行の不動産担保ローンは申込時と完済時の両方に年齢の上限を置くのが通例で、住宅金融支援機構の【リ・バース60】は逆に満60歳以上であることが条件になります。公表されている条件をそのまま並べて、どこで線が引かれているのかを確認します。

先に要点
  • 楽天銀行の不動産担保ローンは、お借入時年齢が満20歳以上70歳未満、完済時年齢が満80歳未満と公表されている。借入期間も「完済時年齢が満80歳となるまでの期間」で区切られる。
  • 住宅金融支援機構の【リ・バース60】は、借入申込日現在で満60歳以上が対象。満50歳以上満60歳未満も使えるが、融資の限度額が変わる。
  • 【リ・バース60】の融資限度額は担保評価額の50%または60%。長期優良住宅で満60歳以上なら55%または65%、満50歳以上満60歳未満なら30%になる。
  • 【リ・バース60】には返済負担率の基準があり、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下。取扱金融機関のカウンセリングを受けることも条件に入っている。
  • ノンバンクには年齢の上限を公表していない会社もある。岡村商事の個人向けローンは返済回数12〜300回・保証人は原則不要と公表しているが、年齢の条件は商品案内に書かれていない。
  • 【リ・バース60】は資金のお使いみちが限定されており、生活費一般には使えない。

銀行の不動産担保ローンは「申込時」と「完済時」の二重で年齢を切る

年齢制限は1つの数字ではありません。申込みの時点で何歳までか、返し終わる時点で何歳までか、という2つの条件が別々に置かれます。楽天銀行は不動産担保ローンの商品ページで、お借入時年齢満20歳以上70歳未満で、完済時年齢が満80歳未満のかたを対象としています。

楽天銀行の不動産担保ローンに置かれている年齢の条件
項目 公表されている条件
お借入時年齢 満20歳以上70歳未満
完済時年齢 満80歳未満
借入期間の上限 完済時年齢が満80歳となるまでの期間

出典:楽天銀行「不動産担保ローン」

この2つが組み合わさると、年齢が上がるほど借入期間が自動的に短くなります。69歳で申し込めば、完済時年齢が満80歳未満という条件から逆算して、使える期間は10年ほどに縮みます。同じ金額を借りても、期間が短ければ毎月の返済額は増えます。高齢になってからの申込みで効いてくるのは、借りられるかどうかより、返済計画が成り立つかどうかのほうです。

楽天銀行の不動産担保ローンの商品ページ。借入時年齢や完済時年齢を含む商品概要が掲載されている
楽天銀行の商品ページ。年齢の条件は「ご利用いただけるかた」の欄に書かれている。

ノンバンクは年齢の上限を公表していないことがある

銀行が年齢を明示するのに対し、ノンバンクの商品案内には年齢の記載が見当たらないことがあります。高知県に本店を置く岡村商事の個人向けローンの案内には、融資額・担保物件・利息・遅延損害金・返済回数・返済方式・保証人・事務手数料・必要書類が並んでいますが、年齢の条件は書かれていません。

岡村商事の個人向け不動産活用ローンで公表されている条件
項目 公表されている内容
年齢の条件 商品案内に記載なし
ご融資額 1億円迄
お利息 年率5.0%〜9.8%(事務手数料等を含む実質年率14.95%以下)
返済回数 12〜300回(最長25年)
保証人 原則として不要
事務手数料 契約時、融資額の0〜3%+税

出典:岡村商事「個人向けローン」

記載がないことは「年齢を問わない」という意味ではありません。審査で判断される項目は公表されないのが普通です。ただし返済回数の上限が300回(25年)である以上、長期で借りれば完済時の年齢は自然に高くなります。公表されていない条件は、申し込む前に直接確かめるしかありません。

「年齢制限なし」とうたう一覧を鵜呑みにしない

年齢の条件を公表していない会社を「年齢制限なし」と紹介している比較記事がありますが、公表していないことと制限がないことは別です。確かめ方は2つしかありません。会社の商品案内に書かれているかを見ること、書かれていなければ問い合わせることです。

【リ・バース60】は満60歳以上であることが条件

年齢の上限で切られる商品がある一方、下限で切る商品もあります。住宅金融支援機構の【リ・バース60】は、同機構と提携する民間金融機関が提供する60歳以上向けの住宅ローンで、利用条件のページは借入申込日現在で満60歳以上のお客さまを対象として挙げています。満50歳以上満60歳未満も利用できますが、この場合は融資の限度額が異なると注記されています。

住宅金融支援機構のリ・バース60のご利用条件ページ。借入申込日現在で満60歳以上であること、年収に占める返済額の割合の基準、カウンセリングを受けることが条件として示されている
住宅金融支援機構が公表している【リ・バース60】の利用条件。年齢・返済負担率・カウンセリングの3つが並んでいる。
【リ・バース60】の利用条件と融資限度額
項目 公表されている条件
対象年齢 借入申込日現在で満60歳以上(満50歳以上満60歳未満も可。限度額が異なる)
返済負担率(年収400万円未満) 30%以下
返済負担率(年収400万円以上) 35%以下
カウンセリング 借入申込みにあたり取扱金融機関からカウンセリングを受けること
融資限度額(満60歳以上) 担保評価額(住宅および土地)の50%または60%
融資限度額(長期優良住宅・満60歳以上) 担保評価額の55%または65%
融資限度額(満50歳以上満60歳未満) 担保評価額の30%

出典:住宅金融支援機構「【リ・バース60】ご利用条件」

返済負担率の基準は年収で分かれます。住宅金融支援機構は、年収に占めるすべての借入れに関する年間返済額および年間支払額の合計額の割合について、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下と定めています。年金収入が中心になる年代では、ここが実際の上限を決めることがあります。

年齢の条件は「上限型」と「下限型」に分かれる

年齢で切られ方が逆になる2種類

上限型(通常の不動産担保ローン)

申込時と完済時の両方に上限が置かれます。楽天銀行は借入時70歳未満・完済時80歳未満。年齢が上がるほど借入期間が短くなり、毎月の返済額が増えます。

下限型(【リ・バース60】)

満60歳以上であることが条件です。毎月の支払いを利息だけにできる代わりに、資金の使いみちが限定され、融資限度額も担保評価額の一定割合までに抑えられます。

楽天銀行の商品ページと住宅金融支援機構の利用条件ページの記載から整理した。

どちらを選ぶかは年齢だけでは決まりません。決め手になるのは資金の使いみちです。【リ・バース60】は資金のお使いみちが限定されており、生活費一般には使えません。住宅の建設・購入、リフォーム、住宅ローンの借換え、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金などが挙げられています。詳しくは【リ・バース60】は生活資金に使えないで整理しています。

申し込む前に確かめる4点

年齢が気になるときの確認の順番

1 申込時と完済時の両方を見る片方だけ見ても判断できません。楽天銀行のように「借入時70歳未満」「完済時80歳未満」と2つ置かれているのが通例です。

2 そこから借入期間を逆算する完済時年齢の上限から、使える期間が自動的に決まります。期間が短くなれば毎月の返済額は増えます。

3 公表されていない条件は問い合わせる岡村商事のように年齢の記載がない商品案内もあります。書いていない条件を「無い」と読み替えないでください。

4 使いみちで商品を選び直す【リ・バース60】は満60歳以上が対象ですが、使いみちが限定されています。生活資金が目的なら、この商品は候補になりません。

担保に入れる不動産そのものの条件も確認が要ります。相続が絡む物件では、配偶者居住権が設定されていると担保評価に影響します。配偶者居住権は民法1032条2項により譲渡できず、登記されていれば原則として配偶者の終身まで続くためです。詳しくは配偶者居住権が付いた家は担保に入れられる?で確認できます。

よくある質問

70歳を過ぎると不動産担保ローンは組めませんか

商品によります。楽天銀行は借入時年齢を満20歳以上70歳未満としているため、70歳以上では申し込めません。いっぽう住宅金融支援機構の【リ・バース60】は満60歳以上が対象で、上限年齢は条件として挙げられていません。

完済時年齢の上限は何歳ですか

楽天銀行の不動産担保ローンでは満80歳未満と公表されています。金融機関ごとに異なるため、申し込む商品の商品ページで確認してください。

年齢制限のない不動産担保ローンはありますか

年齢の条件を商品案内に記載していない会社はあります。ただし記載がないことは制限がないことを意味しません。岡村商事の個人向けローンの案内にも年齢の記載はありませんが、審査で判断される項目は公表されないのが通常です。

【リ・バース60】は生活費に使えますか

使えません。住宅金融支援機構は資金のお使いみちを限定しており、住宅の建設・購入、リフォーム、住宅ローンの借換え、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金などが挙げられています。

年金収入だけでも借りられますか

【リ・バース60】には返済負担率の基準があり、年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下とされています。年金収入が年収として扱われる場合、この割合が実際の借入可能額を決めることになります。

カウンセリングは必須ですか

【リ・バース60】については、借入申込みにあたり取扱金融機関からカウンセリングを受けたお客さまであることが利用条件に挙げられています。

出典

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