不動産リースバックの家賃はいくらになるの?家賃相場・家賃設定方法・家賃計算・家賃を下げる方法

woman
「不動産リースバックの家賃っていくらになりますか?」
「不動産リースバックの家賃相場を教えてください。」
「不動産リースバックの家賃の計算方法はありますか?」

不動産リースバックをするときに気になるのは「買取額」ですが、同時に今後支払い続けなければならない「家賃」も重要な要素となります。今回は、不動産リースバックの家賃はいくらになるのか?家賃相場・家賃設定方法・家賃計算について解説します。

不動産リースバックの仕組みと「家賃」についておさらい

不動産リースバックの仕組み

  • 持ち家(マイホーム)を不動産リースバック業者に売却して、所有権が不動産リースバック業者に移る
  • 不動産リースバック業者から元持ち家を賃貸物件として、借りて住み続ける
持ち家を売却しても、自宅に住み続けられるサービス = 不動産リースバック

なのです。

不動産リースバックの契約後は、持ち家(マイホーム)は、売却しているため、元持ち家になるのですが、この元持ち家を賃貸契約をして、借りることになるため「家賃(リース料)」が発生するのです。

お金のことだけを見れば

  • 不動産リースバックの売買契約 → 売却額が手に入る
  • 不動産リースバックの賃貸契約 → 毎月の家賃負担が発生する

ことになります。

賃貸契約なので「家賃」という表現を使うことが多いですが、リースバック業界では「リース料」という言い方もします。

不動産リースバックでの家賃設定の考え方

通常の賃貸物件の家賃設定の考え方

家賃は、周辺の家賃相場に合わせて決められます。

周辺のマンション・アパートの家賃が安いのにも関わらず、高い家賃設定をしてしまったら、誰も借りてくれないことになるからです。

借りる人を安定的に獲得するために(空室を出さないために)周辺の家賃相場から、家賃を設定するのが通常の賃貸物件の家賃設定考え方となります。

不動産リースバックでの家賃設定の考え方

通常の賃貸物件と違って、すでに借りる人が決まっているのが不動産リースバックです。

そのため、不動産リースバック業者は、家賃設定に周辺の家賃相場を参考にする必要がありません。

周辺のマンション・アパートの家賃と比較して、不動産リースバックの家賃設定が高くても、安くても、借りる人は、元持ち家の売主なのですから、その物件である必要があり、周辺の家賃相場の影響を受けないのです。

woman
「では、どうやって家賃を決めるのですか?」

不動産リースバック業者の「期待利回り」で家賃が決まります。

期待利回りとは
投資家が不動産から期待する利益のこと
  • 期待利回り = 購入後に期待される家賃の年間収益 / 不動産価格

5,000万円で購入したアパートの家賃収入が月50万円見込める場合、

  • 期待利回り = 50万円 × 12カ月 / 5,000万円 = 12.0%

という計算になるのです。

不動産リースバック業者は、不動産リースバックにおける「期待利回り」をあらかじめ設定しています。

「物件の買取額」と「期待利回り」から、自動的に「家賃(リース料)」が決まるのです。

家賃(リース料) = 物件の買取額 × 期待利回り / 12カ月

試算例

期待利回り:10%の不動産リースバック業者の場合

物件の買取額:2,400万円

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:2,400万円 × 期待利回り:10% / 12カ月 = 20万円

物件の買取額:1,800万円

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:1,800万円 × 期待利回り:10% / 12カ月 = 15万円

物件の買取額:1,200万円

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:1,200万円 × 期待利回り:10% / 12カ月 = 10万円
期待利回り:8%の不動産リースバック業者の場合

物件の買取額:2,400万円

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:2,400万円 × 期待利回り:8% / 12カ月 = 16万円

物件の買取額:1,800万円

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:1,800万円 × 期待利回り:8% / 12カ月 = 12万円

物件の買取額:1,200万円

家賃(リース料) = 物件の買取額:1,200万円 × 期待利回り:8% / 12カ月 = 8万円

期待利回り:6%の不動産リースバック業者の場合

物件の買取額:2,400万円

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:2,400万円 × 期待利回り:6% / 12カ月 = 12万円

物件の買取額:1,800万円

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:1,800万円 × 期待利回り:6% / 12カ月 = 9万円

物件の買取額:1,200万円

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:1,200万円 × 期待利回り:6% / 12カ月 = 6万円

不動産リースバックの家賃早見表

査定額/期待利回り 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10%
400万円 1.3万円 1.7万円 2.0万円 2.3万円 2.7万円 3.0万円 3.3万円
800万円 2.7万円 3.3万円 4.0万円 4.7万円 5.3万円 6.0万円 6.7万円
1,200万円 4.0万円 5.0万円 6.0万円 7.0万円 8.0万円 9.0万円 10.0万円
1,600万円 5.3万円 6.7万円 8.0万円 9.3万円 10.7万円 12.0万円 13.3万円
2,000万円 6.7万円 8.3万円 10.0万円 11.7万円 13.3万円 15.0万円 16.7万円
2,400万円 8.0万円 10.0万円 12.0万円 14.0万円 16.0万円 18.0万円 20.0万円
2,800万円 9.3万円 11.7万円 14.0万円 16.3万円 18.7万円 21.0万円 23.3万円
3,200万円 10.7万円 13.3万円 16.0万円 18.7万円 21.3万円 24.0万円 26.7万円
3,600万円 12.0万円 15.0万円 18.0万円 21.0万円 24.0万円 27.0万円 30.0万円
4,000万円 13.3万円 16.7万円 20.0万円 23.3万円 26.7万円 30.0万円 33.3万円
4,400万円 14.7万円 18.3万円 22.0万円 25.7万円 29.3万円 33.0万円 36.7万円
4,800万円 16.0万円 20.0万円 24.0万円 28.0万円 32.0万円 36.0万円 40.0万円
5,200万円 17.3万円 21.7万円 26.0万円 30.3万円 34.7万円 39.0万円 43.3万円
5,600万円 18.7万円 23.3万円 28.0万円 32.7万円 37.3万円 42.0万円 46.7万円
6,000万円 20.0万円 25.0万円 30.0万円 35.0万円 40.0万円 45.0万円 50.0万円

つまり、

リースバックの「家賃」は、周辺の家賃相場で決まるのではなく

リースバックの「家賃」は、不動産リースバック業者が設定する「期待利回り」と物件の「買取額(査定額)」によって決まるのです。

不動産リースバックの家賃を下げる方法

方法その1.期待利回りの低い不動産リースバック業者を探す

前述した「不動産リースバックの家賃早見表」を見ていただければ一目瞭然ですが

不動産リースバック業者の設定する「期待利回り」が高ければ高いほど、家賃は高くなる
不動産リースバック業者の設定する「期待利回り」が低ければ低いほど、家賃は安くなる

仕組みになっています。

不動産リースバックの家賃を下げたければ、「期待利回り」の低い設定の不動産リースバック業者を見つければ良いのです。
woman
「どうやって、「期待利回り」の低い設定の不動産リースバック業者を見つければ良いの?」

問題となるのは

不動産リースバック業者は「期待利回り」を公開していない

という点です。

「期待利回り」がわからないのですから、「期待利回り」の低い設定の不動産リースバック業者を見つるためには

複数の不動産リースバック業者から相見積もりを取る

しかありません。

同じ物件で査定してもらって、家賃の提示が一番安い不動産リースバック業者が「期待利回り」の低い不動産リースバック業者ということになります。

家賃の安い不動産リースバック業者はこちら

方法その2.物件の査定額を下げる

前述した「不動産リースバックの家賃早見表」を見ていただければ一目瞭然ですが

不動産リースバックの持ち家の「買取額(査定額)」が高ければ高いほど、家賃は高くなる
不動産リースバックの持ち家の「買取額(査定額)」が低ければ低いほど、家賃は安くなる

という関係にあります。

woman
「同じ物件なのに取額(査定額)って下げたり、上げたりできるの?」

上げることはできませんが、下げることはできます。

物件の買取査定額が2,400万円と提示された場合、期待利回り:8%の不動産リースバック業者の場合、家賃は下記になります。

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:2,400万円 × 期待利回り:8% / 12カ月 = 16万円

「月16万円も払えない」
「2,400万円も必要でない」

という場合には

不動産リースバック業者に「1,200万円で買い取ってもらえますか?」と買取額を安く提示することもできます。

買取額が2,400万円から1,200万円に下げられれば

  • 家賃(リース料) = 物件の買取額:1,200万円 × 期待利回り:8% / 12カ月 = 8万円

家賃も半額の8万円になり、払い続けられる範囲になるのです。

あえて、買取額を下げる提示を不動産リースバック業者に行うことで、家賃を下げることが可能になります。
注意点

将来的な買戻し(再購入)を考えていない場合、もしくは将来的な退去を計画している場合は、あえて買取額を下げるよりも、家賃が高いままの方がお得になるケースがあります。

買取額が2,400万円を1,200万円に下げた結果、家賃が16万円から8万円に下がるケースでは

  • 150カ月(12年6カ月)以上住めば、お得になる
  • 150カ月(12年6カ月)未満で退去した場合、損をする

ことになります。

将来の計画によって、家賃を下げた方が良いのか?買取額が高いままの方が良いのか?検討する必要があります。

不動産リースバックの家賃に関するよくある質問

「期待利回り」って、同じ不動産リースバック業者でも地域によって異なるのですか?

通常の賃貸物件の場合

  • 空室リスクが高い地方 → 期待利回りが高い
  • 空室リスクが低い都心 → 期待利回りが低い

という関係にあります。

しかし、不動産リースバックの場合

「空室リスク」がはじめからありません。借りる人は決まっているのが不動産リースバックです。

そのため、

teacher
都心部であっても、地方であっても、「期待利回り」は同じ設定になっている不動産リースバック業者が多いです。

「期待利回り」って、同じ不動産リースバック業者でもサービスによって異なるのですか?

teacher
異なります。
  • 普通賃貸借契約で、何十年も住むことができるリースバック商品
  • 定期賃貸借契約で、延長不可で住める年数が決まっているリースバック商品

があった場合に

  • 前者 → 期待利回りが高い
  • 後者 → 期待利回りが低い

設定になります。

なぜかというと、不動産リースバック業者は、早めに退去してもらって、土地として転売をした方が利益が出やすいからです。

簡単に言えば、不動産リースバック業者は

staff
「利益を確定させるためには、早く退去して欲しい。」

と考えるのです。

teacher
退去するのが早くなる「延長不可で住める年数が決まっているリースバック商品」の方が、家賃を安くできる(期待利回りを低くできる)のです。

リースバックの家賃を払わないとどうなるの?

家賃(リース料)の支払いが滞れば、賃貸契約の契約違反になるので、

家賃滞納をし、電話や督促状を無視して3カ月経過すると不動産リースバック業者側から契約解除や法的措置を行う権利が発生します。

  • 「契約解除通知」が内容証明郵便で届く
  • 裁判所へ請求の申し立てが行われる
  • 自主的に退去
  • 自主退去しなければ強制執行手続き
  • 自主退去しなければ裁判所による強制退去

となり、元持ち家だとしても、退去しなければならなくなります。

リースバックの初回の家賃は何カ月分ですか?

これは不動産リースバック業者によって異なりますが

  • 2カ月分
  • 3カ月分

の家賃を前払い家賃として、あらかじめ買取額から差し引いて、買取額を支払う不動産リースバック業者が多いです。

リースバックで持ち家を借りる場合も、保証人は必要ですか?

通常の賃貸物件と同様に「保証会社」を入れることが一般的です。

保証料は、家賃に含まれるケースもあれば、家賃とは別に請求されるケースもあります。

保証料は

  • 家賃の50%~100%が相場

であり、更新時に更新料が発生します。

リースバックで元持ち家を買い戻した場合、家賃は不要になりますか?

不要になります。

「買戻し(再購入)」をするということは、所有権は不動産リースバック業者から買い戻した方に移るので、持ち家となり、家賃は不要になります。

teacher
いつまで家賃が発生するのかは、買戻しのタイミングによって変わるので、不動産リースバック業者に確認すると良いでしょう。
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