不動産を利用した資金調達の方法としては、不動産を担保にしてお金を借りる「不動産担保ローン」と不動産を売却して売却金額を手に入れる「不動産売却」の2つの方法があります。どちらの方が良いのか?メリットデメリットを比較します。
「不動産担保ローン」と「不動産売却」の違い
不動産担保ローンとは?
不動産売却とは?
です。
どちらも、お持ちの不動産を利用して、資金を調達することのできる方法です。
「不動産担保ローン」と「不動産売却」を徹底比較
比較項目 | 不動産担保ローン | 不動産売却 |
---|---|---|
調達可能な資金 | 不動産市場価値の70%~100% ※相場は70% |
不動産市場価値の100%前後 |
必要な手数料 | 事務手数料:借入額の2.2%(税込) | 仲介手数料:売却額の3.3%(税込)+6.6万円(税込) |
金利 | 年率5.0%~15.0% | 不要 |
不動産 | 担保として抵当権を設定 ※返済ができなければ競売で売却される |
売却される。買い戻しはほぼできない。 |
依頼会社 | 不動産担保ローン会社 | 不動産会社 |
決算書 | 借り入れが増えて、現金が増える/BSが膨らむ | 資産が現金に変わる/BSに変化はない |
審査 | 必要 | 不要 |
資金調達までの期間 | 最短即日~5営業日 | 1カ月~2カ月程度 |
メリット | ・不動産を手放す必要がない ・第三者名義の不動産も担保にできる ・比較的早く資金化ができる |
・不動産の市場価格で売却可能 ・利息が発生しない ・不動産の保有コスト(固定資産税)などがなくなる ・返済が不要なので心理的、金銭的負担がなくなる ・審査が不要 |
デメリット | ・不動産の市場価格100%は借りられない可能性が高い ・返済できなければ、市場価格よりも安い価格で競売で売られてしまう ・比較的高金利の利息が発生する ・審査に通らなければ利用できない |
・不動産は失われてしまう ・仲介手数料が高い ・資金化するまでに時間がかかる |
おすすめの方 | ・不動産を手放したくない方 ・早期に完済できる見込みがある方 ・資金調達の時間的な余裕がない方 ・自分は不動産を保有していない方(家族や親族、役員が不動産保有) |
・不動産を手放しても構わない方 ・少しでも資金調達の金額を増やしたい方 ・資金調達の時間的余裕がある方 ・返済負担の心理的ストレスを回避したい方 |
「不動産担保ローン」を「不動産売却」と比較したときのメリットデメリット
メリット
不動産を手放す必要がない
「不動産担保ローン」は、不動産を担保に差し入れる必要はありますが、不動産の所有権は自分のままです。また、完済すれば抵当権(担保を証明する権利)を外すこともできるので、元に戻ります。これは「不動産担保ローン」のメリットと言えます。
比較的早く資金調達が可能
「不動産担保ローン」の場合は、最短即日という不動産担保ローン会社もあります。遅くても、最短5営業日ですので1週間もあれば十分に融資が受けられます。買い手を探す必要がある「不動産売却」と比較すると早期の資金調達が可能になります。時間的余裕がない方には「不動産担保ローン」がおすすめです。
第三者名義の不動産も担保にできる
「不動産売却」の場合には、ご自身の保有不動産か?経営する法人の保有不動産でないと売却しても、自分の資金調達にはなりません。しかし、「不動産担保ローン」の場合は、家族保有物件、親族保有物件、法人の場合は役員保有物件、第三者名義の不動産までも担保にできる「不動産担保ローン」があります。他人の不動産で自分のお金を借りることができるのが「不動産担保ローン」の特徴と言えます。
イニシャルコストは「不動産売却」よりも安い
「不動産担保ローン」の場合は、事務手数料(審査手数料)として、「借入額の2.2%(税込)」の手数料と「実費」が発生します。
「不動産売却」の場合は、仲介手数料として「売却額の3.3%(税込)+6.6万円(税込)」の手数料と「実費」が発生します。
比較すると、イニシャルコストは「不動産担保ローン」の方が安いのです。
デメリット
不動産の市場価格の100%を借りられるわけではない
「不動産担保ローン」の掛け目の相場は70%です。つまり、不動産の市場価格の70%が借りられる金額の上限ということになってしまうのです。不動産担保ローン会社によっては掛け目100%というところもありますが、審査の評価が非常高い場合のみに適用されるので、70%と考えておいた方が良いでしょう。1億円の物件を担保にしても、借りられる金額は最高7000万円までなのです。
金利が発生する
「不動産担保ローン」の場合は、ローンですから当然金利が発生します。金利は、金融機関によって異なりますが、大抵は5.0%~15.0%に設定されています。それでも高めの金利が設定されることが多く、10.0%~15.0%と考えておくと良いでしょう。
返済できなければ安い価格で売却されてしまう
「不動産担保ローン」で担保に不動産を設定した場合、返済できなければ、抵当権を設定した金融機関に担保を自由に売却できる権利が発生します。多くの場合は、裁判所の競売で売却することになるのですが、競売の売却価格は市場価格の7割~8割程度ですので、市場価格で売るよりも損をしてしまうのです。
審査に通らなければ利用できない
「不動産担保ローン」には審査があります。あくまでもローンサービスですので、担保が審査の大部分を占めるのは事実ですが、それ以外の信用力の調査なども入ってきます。債務整理や自己破産、返済遅延、複数の金融機関からの借り入れ、無職など、信用力に問題がある場合には「不動産担保ローン」の審査に通らず、利用できなくなってしまいます。
「不動産売却」を「不動産担保ローン」と比較したときのメリットデメリット
メリット
「不動産売却」は市場価格で売却できる
どんな不動産であっても、基本的に価値があるものであれば市場価格で売却することが可能です。「不動産担保ローン」の場合は、掛け目が70%でしたが、「不動産売却」の場合は100%の資金調達が可能になります。少しでも高額なお金を必要としている方の場合は、「不動産売却」をおすすめします。
利息が発生しない
「不動産売却」は借入ではないので、売っておしまいです。当然、利息も発生しません。
返済が不要なので心理的・金銭的負担がない
「不動産担保ローン」はあくまでも借入であり、返済が滞れば不動産が安く売却されてしまうという心理的なプレッシャーがあります。「不動産売却」は借入ではなく、返済も不要なので心理的なプレッシャー・ストレスを感じることがありません。
不動産の保有コスト(固定資産税)などがなくなる
「不動産担保ローン」であれば、不動産を持ち続けることができますが、不動産を持ち続けるということは、固定資産税、光熱費、維持費、修繕費などメンテナンスコストが発生します。「不動産売却」なら、不動産を手放すことになるので、メンテナンスコストも節約できます。
審査が不要
「不動産売却」には審査がありません。「不動産担保ローン」の場合には、債務整理や自己破産、返済遅延、複数の金融機関からの借り入れ、無職など、信用力に問題がある場合には「不動産担保ローン」の審査に通らず、利用できないのですが、「不動産売却」はどんなに信用情報に問題があっても、利用することができるメリットがあります。
デメリット
不動産を失ってしまう
「不動産売却」は、不動産を売却するのですから、不動産を失うことが確定します。その不動産に住んでいるという場合には、別の住まいを見つけなければならなくなってしまうので、別のコストが発生してしまう可能性があります。買い戻しができないわけでもないのですが、一度、流通してしまうとより高い費用を払わない限り買い戻しは難しいと考えましょう。
イニシャルコストが割高
「不動産担保ローン」の場合は、事務手数料(審査手数料)として、「借入額の2.2%(税込)」の手数料と「実費」が発生します。
「不動産売却」の場合は、仲介手数料として「売却額の3.3%(税込)+6.6万円(税込)」の手数料と「実費」が発生します。
比較すると、イニシャルコストは「不動産売却」の方が高いのです。
資金化するまでに時間がかかる
「不動産売却」は、すぐに売却しようとしても「買主」が見つからない限りは売却できません。「買主」にとっても、よほど大量に不動産を保有している不動産投資か出ない限りは、大きな買い物になるため、検討時間は比較的長くなってしまうのです。早くければ2週間、遅ければ3カ月ぐらいは売却まで時間がかかってしまうのです。売却価格を下げれば、早期に「買主」が見つかる可能性もありますが、その分調達金額は小さくなってしまうのです。
ケーススタディで「不動産担保ローン」と「不動産売却」を比較
試算条件
- 不動産の市場価格:3000万円
- 不動産担保ローンの掛け目:70%
- 不動産担保ローンの事務手数料:借入額の2.2%(税込)
- 不動産担保ローンの金利:年率12.0%
- 不動産担保ローンの借入期間:20年
- 不動産売却の仲介手数料:売却額の3.3%(税込)+6.6万円(税込)
- 実費は考慮しないものとする
試算結果
比較項目 | 不動産担保ローン | 不動産売却 |
---|---|---|
不動産の市場価格 | 30,000,000円 | 30,000,000円 |
調達希望額 | 21,000,000円 | 30,000,000円 |
手数料 | 453,600円 | 1,036,800円 |
調達可能額 | 20,546,400円 | 28,963,200円 |
金利 | 12.0% | – |
借入期間 | 20年 | – |
毎月の返済負担 | 226,163円 | – |
毎年の返済負担 | 2,713,956円 | – |
総返済額 | 33,739,005円 |
考察
大きなポイントは
- 調達可能額の差
- 総返済額の負担の大きさ
の2点です。
掛け目が70%の「不動産担保ローン」と、市場価格100%で売却できる「不動産売却」では、かなり調達可能額に差が出てきてしまいます。
「不動産担保ローン」には、不動産を保有したまま利用できるというメリットがある反面、金利12.0%という高金利で20年も借りてしまうと、1,000万円を超える高額な利息負担が発生してしまうのです。
「不動産売却」仲介手数料:3.3%(税込)+6.6万円(税込)
「不動産担保ローン」事務手数料:2.2%(税込)
とイニシャルコストでは、「不動産担保ローン」の方が軽いのですが、金利が年率12.0%であれば、月率1.0%ですので1か月目の利息発生で、費用負担がほぼ同じになってしまうのです。
「不動産担保ローン」と「不動産売却」のどちらを選ぶべきか?
- 不動産を手放したくない方
- 早期に完済できる見込みがある方
- 資金調達の時間的な余裕がない方
- 自分は不動産を保有していない方(家族や親族、役員が不動産保有)
→ 「不動産担保ローン」がおすすめです。
- 不動産を手放しても構わない方
- 少しでも資金調達の金額を増やしたい方
- 資金調達の時間的余裕がある方
- 返済負担の心理的ストレスを回避したい方
→ 「不動産売却」がおすすめです。
「不動産売却」なら一括査定サイトを利用しましょう!
「不動産売却」の査定価格を知ったうえで「不動産担保ローン」と比較したい
という方におすすめなのは「不動産売却の一括査定サイト」を利用する方法です。
不動産売却一括査定サイト比較
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不動産担保ローンの場合には
- 確定申告書
- 謄本
- 図面
- 現地調査
・・・
などをしないと、実際の融資可能額は算出できないのですが
「不動産売却の一括査定サイト」であれば最短60秒の入力項目で査定価格が最大6社から提示されます。
注意しなければならないのは
ということです。
このような一括査定サイトの場合は、高く査定額を出した方がお客さんに選んでもらいやすいので、本来の査定額よりも、多めに査定額を出すケースがあります。
査定価格はあくまでも目安と考えましょう。
目安とは言え、6社から査定額が提示されれば、十分に検討できる情報になるはずです。
その中から、2社~3社を選んで、実際に現地調査に来てもらい、不動産サイトなどに掲載する実際の売却価格を決定します。
まとめ
不動産担保ローンとは?
- 不動産を担保として資金を調達するローンサービスのこと
不動産売却とは?
- 不動産を売却して資金を調達する方法のこと
です。
不動産担保ローンのメリット
- 不動産を手放す必要がない
- 第三者名義の不動産も担保にできる
- 比較的早く資金化ができる
不動産担保ローンのデメリット
- 不動産の市場価格100%は借りられない可能性が高い
- 返済できなければ、市場価格よりも安い価格で競売で売られてしまう
- 比較的高金利の利息が発生する
- 審査に通らなければ利用できない
不動産売却のメリット
- 不動産は失われてしまう
- 仲介手数料が高い
- 資金化するまでに時間がかかる
不動産売却のデメリット
- 不動産を手放しても構わない方
- 少しでも資金調達の金額を増やしたい方
- 資金調達の時間的余裕がある方
- 返済負担の心理的ストレスを回避したい方
- 不動産を手放したくない方
- 早期に完済できる見込みがある方
- 資金調達の時間的な余裕がない方
- 自分は不動産を保有していない方(家族や親族、役員が不動産保有)
→ 「不動産担保ローン」がおすすめです。
- 不動産を手放しても構わない方
- 少しでも資金調達の金額を増やしたい方
- 資金調達の時間的余裕がある方
- 返済負担の心理的ストレスを回避したい方
→ 「不動産売却」がおすすめです。
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